“節約”は我慢じゃなく、自由を買う手段だ

アイキャッチ20_FIRE節約マインド FIREへの道

“節約”って聞くと、ちょっとネガティブな響きがありませんか?
「欲しいものを我慢する」「ケチケチしている」「なんだかつまらない」 そんなイメージが、世間一般には根強くあるように思います。

私自身、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指すようになるまでは、節約に対して同じような印象を持っていました。

しかし、本気で自分の人生を変えたいと思い、お金と向き合い始めたとき、あることに気づいたのです。
節約は「我慢」ではなく、「“未来の自由”を買う行為」だったんだ、と。

私がFIREを意識した「3つのきっかけ」

私がこの考えに至ったのには、いくつかのきっかけがあります。
一つは、YouTubeで両学長(お金に関する情報を発信する方)の動画を見たこと。
二つ目は、同年代の友人がすでに1,000万円もの資産を築いていたという事実。

そして何より大きかったのは、“労働”そのものへの強烈な嫌気でした。
人生の多くの時間を拘束され、やりたくもない仕事をし、関わりたくもない人と無理やり関わる。
この状況から抜け出すためなら、何でもしようと思いました。

そう考えると、「節約のために何かを削る」という苦しい感覚はありません。
自由を得るために、自分にとって不要なものを選んで捨てた」という、前向きな実感だけが残りました。
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この記事では、そんな私が実践している「我慢しない節約術」と、節約を「未来への投資」に変えるマインドセットについてお話しします。

「我慢」の節約から、「選択」の節約へ

節約が苦しいのは、それを「我慢」だと捉えているからです。
しかし、節約の本質は、“自分が人生で何を優先したいか”を明確にする作業に他なりません。

「節約=欲しいものを削る」ではありません。
要らない出費をやめて、自分にとって本当に必要なものを残す」こと。
それが、FIREを目指す私の「節約」の定義です。

FIREという視点で見れば、節約で浮いた1万円は、単なる1万円ではありません。
それは、将来の「働かなくてもいい1時間」や「嫌な上司と顔を合わせなくて済む1日」を買うための、“自由な時間の前払い”なのです。

私の「選択的」節約術①:昼食はおにぎりだけ

私はデスクワークが中心で、一日中座っています。
正直、そこまでエネルギーを消費しません。

それなのに、惰性で毎日1,000円近いランチを食べるのは、私にとって「不要な出費」でした。
そこで、昼食は基本的におにぎり1個か2個にしました。

もちろん、付き合いもあります。
同僚や友人に誘われたら、喜んで外食にも行きます。
これは私にとって「必要な出費(人間関係の構築)」だからです。

この小さな「選択」だけでも、毎月1万円程度は節約できています。
我慢している感覚は一切なく、むしろ「今日も自由を買えた」と満足感があるほどです。

私の「選択的」節約術②:自転車通勤を始めた

もう一つ始めたのが、自転車通勤です。
これは、お金では買えない「健康」のための選択でした。
運動で得られる体力や爽快感は、何物にも代えがたい資産です。

そして、結果としてガソリン代や駐車場代の節約にもなりました。
健康という資産を増やしながら、お金という資産も増える。
これこそが、私が目指す「合理的な節約」です。

「固定費の節約」が“働く時間”を減らす

節約には、食費や交際費などの「変動費」と、家賃や通信費などの「固定費」があります。
このうち、FIREへのインパクトが絶大で、しかも苦痛が少ないのが「固定費」の見直しです。

固定費を毎月1万円下げることができたら、どうでしょう。
それは、あなたが毎月1万円分の「自由時間」を買ったことと同じです。
「今月も、何もしなくても1万円稼げた」と思うと、精神的な余裕が生まれます。

FIREを目指す上では、「稼ぐ力」を伸ばすより、「減らす力」を鍛える方が、確実で即効性があるのです。

スマホと保険の見直しで「年間6万円」の自由を買う

私は、まず2つの固定費に手を出しました。

  • スマートフォンの格安SIMへの変更
  • 生命保険のプラン見直し

特に生命保険は、言われるがままに加入していた手厚いプランをやめ、必要最低限のものにしました。
これだけで、毎月3,000円の固定費が削減できました。

スマホ代と合わせると、月5,000円年間で6万円の余剰資金が生まれたことになります。
この6万円を、年利5%で投資に回せたとしましょう。
10年後には、約77万円にもなって返ってくるのです。

たった一度の見直しが、10年後の大きな「自由」を生み出してくれます。

「節約が苦しい」を乗り越えるマインド

そうは言っても、節約が続かない人もいます。
その原因は、無理な我慢をしているか、“他人の基準”で生きているからです。

「周りから貧乏くさいと思われたくない」 「家族にも我慢を強いてしまっている」

このマインドでは、節約は「苦痛」でしかありません。
節約のコツは、「自分にとっての快適さ」に優先順位をつけることです。

家族との「価値観」のすり合わせ

幸い、私の場合は妻も節約家だったので、支出を減らすことに関しては、すんなりと理解を示してもらえました。
これは本当に幸運なことだったと思います。

ただ、投資に関しては、今でも少し偏見(危ないものという)を持っているようです。
そこで我が家では、お互いの価値観を尊重し、家計の財布とは別に、夫婦で財布を分けています。

私は、自分の稼ぎの中で節約し、投資を行っています。
そして、妻の不安を和らげるためにも、自分の資産が着実に増えていることを、定期的に伝えるようにしています。

「節約」は一人でできても、「FIRE」は家族の理解が不可欠です。
無理に考えを押し付けるのではなく、自分の行動と結果で示すことが、一番の近道だと考えています。

節約は、「未来の自由」への直接投資

ここまでお話ししてきた「節約」は、ゴールではありません。
節約は、あくまで「未来の自由を買うためのタネ銭」を作る行為です。

節約したお金が、自由を生み出す仕組み

私は、こうして節約で生まれた余剰資金を、全て「投資」に回しています。
具体的には、毎月10万円を全世界株式(オルカン)やS&P500といった投資信託に積み立てています。

節約で浮いたお金が、今この瞬間も、世界の優秀な企業で働いてくれている。
そして、お金を生み出し、“私が働かなくてもいい時間”を買ってくれている。
この流れを一度作ってしまえば、節約は「我慢」から「楽しみ」に変わります。

FIREを目指す過程は、「今を削る」のではありません。
未来の生活を、今から整える」という、前向きな作業なのです。

私の具体的な投資実践については、また別の記事で詳しく解説しています。
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<関連記事>【実践編】個別株銘柄の選び方×逆指値トレードのリアルな方法

まとめ:「節約=自由のための投資」と考えよう

「節約=我慢、ケチ、つまらない」
その思い込みが、私たちを“労働”に縛り付ける最大の足かせなのかもしれません。

節約を続けてみて分かったのは、人生の豊かさは、支出の多さでは決まらないということです。
周りの目線を気にして見栄を張るより、自分にとって本当に大切なもの(家族との時間、健康、自由)だけを残す。

そのために、無理せず続けられる「選択的」な節約こそが、自分らしいFIREへの最短ルートです。

「節約は、未来の自由を買うための投資である」 そう考えるだけで、今日のおにぎりが、いつもより少し美味しく感じます。

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